全日本車椅子空手道連盟

全日本車椅子空手道連盟とは

１．理念

「空手道」は、攻撃の強さを競う者達の為にあるのではなく、老若男女を問わず、無理なく誰でも行える平等性や生涯性の理念を体現しています。ただ技を磨くのではなく、心の鍛錬をも行い、心身が強くなると共に、社会的に弱い立場の人々にも手を差し伸べられる豊かな人間性を育てる事が、新しい空手道とも言える「車椅子空手道」であります。

車椅子空手道は、肢体不自由であっても、残りの肢体で行う事が出来るので、そこから自信を持ち、身体の健康と精神的な支え、さらにはQOL（Quality Of Life）の向上に導く事ができると考えております。そして、それは各自の医療費軽減につながり、社会的に貢献する事と自負しております。

２．歴史・実績

故・浅井哲彦首席師範は、新しい試みとして車椅子による空手道を開発され、「生涯空手」の理念の基に「全日本車椅子空手道連盟」を立ち上げられました。同連盟は、数多く存在する空手団体の中で、どこよりも早く障害者に対する空手道の普及に努めて参りました。

車椅子による型「初輪」～「五輪」は、同連盟オリジナルの型であり、連盟発足から型競技として浸透しております。車椅子空手道は、障害者だけのものではなく、子どもから大人（高齢者）まで、男性、女性、そしてリハビリテーションが必要な方も少ない運動量から始められるので、空手道の楽しさや意義の深さを感じる事ができます。

更に、障害者と健常者が同じ舞台の上で技を磨き、相対する事ができる数少ない競技として実現致しました。

３．活動

日本ではまだまだ障害者が社会に出て活動する場が限られております。「全日本車椅子空手道連盟」では、障害者と他者との交流、社会的な場への参加を目的に活動しております。NPO法人日本空手松涛連盟では、車椅子空手道の講習会を定期的に催しており、日本全国で車椅子空手道の指導が受けられるように努めております。

全日本車椅子空手道連盟は（財）日本障害者スポーツ協会にも加盟し、総本部指導員の中には同協会認定「障害者スポーツトレーナー」の資格取得者もおり、障害者の安全性にも配慮しております。また、総本部のみならず地方においても同協会の資格を取得された方が指導にあたっております。今後は車椅子空手道が広く普及し、パラリンピックの正式種目として加盟出来るよう、努力して参ります。